第一章 日本の借金問題について

日本がお金を借りる理由

日本はお金を借りるために、国債という債券を発行します。
これはお金の貸し借りをする人の間で交わされる借用証書のようなものです。
日本は様々な公共のサービスを維持運営するために、この国債を使ってお金を借りるわけです。

日本から国債を買っているのはだれ?

当然、日本が発行している国債は誰かが購入しなければ、国にお金が集まりません。
国債のほとんどは日本国内で購入されています。
その多くが銀行、ゆうちょ、保険会社、年金基金、農協、信用組合といった金融機関になります。
国債の保有主体、つまりお金を出しているのは、預金取扱機関がもっとも多く占めているのです。
では、それほどのお金を金融機関が自己資本だけを国に貸しているのかと言うと、そうではありません。
金融機関は、私たち預金者が預けているお金を国にまた貸ししている状態になっています。
つまり、国の借金のほとんどは、あなたを含めた日本国民が「貸している」ということになるのです。
私たちが預けたお金は金融機関にそのまま保管されているわけではなく、資産運用されています。
資産運用することで、その利益により金融機関は運営されています。


私たちが預けたお金の流れ

私たちは金融機関にお金を預金したり、引き出したりしています。
この預けたお金は、私たちにとっては「資産」になります。
しかし、金融機関側からすれば「負債」ということになります。
銀行などの金融機関が持っているお金は、大きく分けて2種類に分類できます。
それは「自己資金」と「借りているお金」です。
「自己資金」は銀行が自社で株を発行して調達したお金や運営による利益などのお金になります。
一方、「借りているお金」というのは上記の私たち預金者が金融機関に預け入れているお金ということになります。
ほとんどの銀行は「自己資金」が10%以下、90%以上は「借りているお金」なので、金融機関にとっては「負債」ということになります。
銀行は「借りているお金」で利益を生み出すために運用します。
企業に融資をしたり、住宅ローンやマイカーローンなどといった形で家庭に貸し出し、利息を付け返済してもらいます。
その利息によって、利益を生み出すのです。
他にも国内外の株式などで運用されたり、日本国債をはじめ、米国債などの外国債券にも投資されます。 そして金融機関の最大中心銘柄が「日本国債」なのです。 ゆうちょ銀行などは実に80%以上を国債運用にあてています。

私たちが普段何気なく様々な金融機関に預けているお金のほとんどが日本の国債に化ける仕組みとなっているのです。


日本国民の金融資産

日本銀行が2020年3月18日に発表した2019年第4半期の「資金循環統計」によると、2019年 12月末の家計の金融資産残高は1,903兆円になります。
このうち、52.9%が「現金・預金」、27.8%が「保険・年金・定額保証」となっています。
つまりほとんどが銀行、ゆうちょ銀行、保険会社、年金基金、農協、信用金庫などの日本の金融機関に預けられています。

私たちは日本の金融機関を信用してるからお金を預けます。
しかし、そのお金を又貸しされている上に、無駄遣いにより使い果たされてしまったらどうでしょう?
例えば、あなたが信用している家族や友人に100万円を貸したとします。
その人はとても堅実な人なので信用できますが、そのお金をとんでもない浪費家に又貸ししていたらどうなるでしょうか?
そのお金はあっという間に使い果たされてしまうでしょう

もしも、国が国民の金融資産を使い果たしてしまったら、国はどこからもお金を借りることができなくなってしまします。
日本は現在、借換債という国債を発行しています。
これは返済期限がきた借金を、新しい借金で返済するという自転操業を行っているのです。
どこからもお金を借りることができなくなったとき、債務不履行(デフォルト)になってしまします。
そうなる可能性が高くなった状態、つまり今のような状態が「国の財政危機」ということになります。


国の借金がここまで膨らんでしまった理由

なぜ日本はここまで巨額の借金をしてしまったのでしょうか?
理由は収入よりも支出の金額が大きくなってしまったからです。
これは個人でも企業でも同じことです。

令和元年では一般会計予算における歳入のうち、税収は62兆円を見込んでいます。
しかし、令和元年度予算では歳出全体の約3分の2しか賄うことができません。
つまり、残りの3分の1はまた借金で賄うしかないのです。
平成に入り、税収と歳出の差が大きく広がっています。
収入の倍ぐらいのお金を毎年使っているわけです。
その原因は、国家予算の無駄遣いにあると言われていました。
その無駄遣いを見直すために「事業仕分け」が行われたのです。
しかし、見込まれた成果は上がらず、ほとんど予算を削ることはできませんでした。
つまり、日本の公共機関やサービスを維持するためには必要な予算だったということです。

私たち個人に置き換えてみると、生活するために最低限の生活費が収入を上回っている状態となります。
ということは国の収入、つまり「税収が少なかった。」ということになります。


日本の税金は安いのか?

それでは日本の税金が安いから税収が少ないのか?という点を見ていきたいと思います。
よく「日本は税金が高い」と言われていますが本当にそうでしょうか?
税金には大きく分けて課税主体が国にある「国税」と呼ばれるもの、地方公共団体が主体の「地方税」と呼ばれるものがあります。
「国税」には、所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税、関税などが含まれており、「地方税」には住民税、事業税、固定資産税、自動車税、国民健康保険税などが含まれています。

まずは2019年に8%から10%に増税された消費税ですが、世界の主な国々と比較してみるとヨーロッパでは20%前後の税率となりますので、日本の消費税10%というのは決して高くはないのです。
次に所得税ですが、日本の所得課税の最高税率は所得税の45%と住民税の10%を合計した55%になります。
この数値を見ると、先進国でもかなり高い税率になります。
しかし、賃金課税統計で給料の何%が税金で取られているのかをみると、2019年版では23位に位置しています。

これに加えて各国に自動車税や酒税などの税金の有無や割合などがありますので、一概に各国民の税金負担を比較したデータとは言えませんが、他国と比べてもそこまで税負担割合が高いとは言えません。

消費税率が1%上がった場合、税収は約2兆円上がるといわれています。
もしも日本の消費税が、消費税率2位のスウェーデンやデンマークのように25%だった場合、税収は毎年80兆円になります。
つまり、それだけの税収があれば日本は借金をしなくて済んでいたということになります。
ですが、それだけの税金がとられていたとしたら、皆さんが今、金融機関に預けている金融資産はわずか13%程度ということになります。
それに税金を上げれば、当然国民の猛反対を受けます。
国民の支持を得ながら政権を維持するには、税額は最も難関な課題です。


日本がお金の教育をしなかった理由

みなさんも子どものころ、おこづかいやお年玉をもらった時に、親から「ムダづかいせず、貯金しておきなさい」と言われたことがあるのではないでしょうか?
小さいころからそのように洗脳されてきたら、それが疑いなく正しいものと思うでしょう
それが例えどんなに低金利であっても日本国民は金融機関にお金を預けてきました。
そして国はそうしてもらわないと困るのです。

国は税金を安くすることで、国民に余ったお金を金融機関への預貯金を促します。
そして、国はそのお金を国債を発行することで、借りたいときに借りることができます。
そのため国民に投資や資産運用をされると、国債を金融機関に買わせるお金が減ってしまいます。
海外投資などとんでもないことです。
つまり、日本国民にお金の知識を付けられたくないのです。

例えば、今年に入り新型コロナウイルス感染症による特別定額給付金が、一人10万円支給されました。
このうち、約40%の人が貯蓄に回しています。
そのお金を国はまた借りるとこができるというわけです。


まとめ

日本の借金問題についてまとめさせて頂きました。
今後、さらに国の借金が増えた場合、どのような政策が行われるでしょう?
最も単純で効果的な方法が、増税です。
今年から、給与収入が850万円を超える会社員を対象に所得税が増税になっています。
こちらに関しては所得に課税する金額には限度がありますので、その効果は限定的です。
少子高齢化に伴い、就労人口はどんどん減ってくるためです。
そうなると、就労層以外からの税収を増やしていかないと、国の借金は減りません。
どの年齢層からも徴収できる税金はというと「消費税」なのです。
国は2019年10月から消費税が10%への増税に踏み切りました。
しかし国民からの反発は大きく、このとき、安倍首相は「今後10年程度は消費税率を引き上げる必要はない」と述べ、2020年9月に第99代首相に就任した菅義偉首相も、同じ考えと発言しています。
ですが、財政という部分で見ると、消費税増税は避けられない状況です。
日本はさらに高齢化が進み、現状の医療や年金を維持するためには財源不足なのです。

日本の借金を解消するには、他にも方法があります。 その方法が実施された場合、国民の個人資産はほとんど失ってしまいます。 そのメカニズムについては次の章にて詳しく述べます。

家族や大切な人のために、自分の資産を真剣に守りたいという方は、ぜひ次の章もご覧ください。

ページ先頭に戻る